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軌道を維持する:投資における長期的思考の重要性|香港保険・オフショア投資情報

2024.10.21

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軌道を維持する:投資における長期的思考の重要性

香港にも、日本の年金制度に当たる強制積立年金(MPF)という制度があります。日本の年金の場合は、「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)という独立行政法人が運用していますが、香港の年金は、加入している個人が自分で運用することもできます。

最近の資金運用のデータから、長期的には不利になりかねない一般的な投資家の行動が明らかになりました。8月、米国と日本の株式市場が下落したため、多くの投資家が保有株式をマネー・マーケット・ファンド(MMF)に移しました。しかし、そのわずか2ヶ月後、日本株は完全に回復し、米国株は歴史的な高値を更新しました。このシナリオは、長期的な貯蓄や投資計画に携わる人々にとって重要な教訓を強調しています。短期的な市場の動きで投資戦略を決定すべきではないということです。

短期的思考の危険性

市場が不安定なときに不安を感じるのは自然なことです。ポートフォリオの価値が下がるのを目の当たりにすると、これ以上の損失を防ぐために「何かをしなければ」という切迫感が引き起こされることがあります。その結果、MMFのような安全な資産に資金を移すというような消極的な決断を下すことになりがちですが、MMFは安定的ではあるものの、長期的に見れば成長の可能性はほとんどありません。

最近の日本株や米国株の回復に見られるように、MMFに資金を移した人々は大きな利益を逃した可能性があります。回復の波に乗るどころか、早すぎる市場撤退によって損失を確定させてしまったのです。

市場のボラティリティは避けられない

市場は本質的に循環するものです。下落局面があれば、その後は上昇局面が訪れ、このサイクルは長期投資の一部です。企業収益、金利、世界的な成長といった経済のファンダメンタルズが、最終的に長期的な市場パフォーマンスを決定するのであり、投資家がしばしば注目する日々の変動は関係ありません。

この場合、日本の回復と米国株の継続的な上昇は、市場はしばしば不況後に回復し、投資を続けた投資家に報いることを示しています。

長期投資の力

長期的な視点に立った投資は、複利効果による成長の恩恵を受けることができます。また、短期的な下落は不快ですが、数年、数十年の投資の文脈ではそれほど大きなものではなくなってきます。退職基金やMPFのような長期貯蓄プランに投資する場合、あなたの第一目標は、短期的な利益や一時的な損失からの保護ではなく、長期にわたる富の蓄積であるべきです。

ボラティリティの影響を軽減する最善の戦略のひとつは、「バイ・アンド・ホールド 」です。不況期であっても投資を継続することで、その後の回復と成長に参加することができます。過去のデータによると、市場サイクルを通じて投資を継続する投資家は、一般的に、市場のタイミングを計ろうとする投資家よりも優れています。

経済のファンダメンタルズに注目

投資戦略を決定する際には、経済の長期的見通しと投資先企業の財務健全性に注目することが不可欠です。短期的なニュースや市場の出来事に振り回されがちですが、長期的な経済のファンダメンタルズにはほとんど関係がないことが多いのです。

例えば、米国経済も日本経済も国際競争力を維持し、革新的な産業と力強い成長の可能性を秘めています。8月の反落にもかかわらず、こうしたファンダメンタルズは健在であり、だからこそ市場は急速に回復したのです。

結論

最近の日米株価の下落後の回復は、短期的な市場変動が性急な投資判断につながるべきでないことを明確に示しています。長期的な経済のファンダメンタルズを重視し、一時的な不況に振り回されない投資家は、財務目標を達成する可能性が高いです。よく練られた分散投資戦略と忍耐と規律こそが、長期的な成功の鍵なのです。

将来を見据えた投資を行う際には、多くの場合、現状維持が最善の策であることを忘れてはなりません。

 

 

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