Column
香港保険・オフショア投資情報
米国のインフレ率が急上昇、アナリストは利下げ予想を縮小: 株式市場への影響|香港保険・オフショア投資情報
2024.04.22
米国のインフレ率が急上昇、アナリストは利下げ予想を縮小: 株式市場への影響
米国のインフレ率は予想を上回り続けており、最新の消費者物価指数(CPI)は顕著な上昇を示しました。労働統計局が発表した3月までの12ヶ月間の消費者物価上昇率は3.5%で、経済のインフレ圧力に対する懸念が再燃しています。
このインフレ率の急上昇は、ウォール街のアナリストたちの再評価を促し、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ予測を早急に下方修正しました。インフレ率データの発表前、市場参加者は年内に70ベーシスポイントに相当する3回近い利下げを織り込んでいました。しかし、CPIの発表を受けて、この予想は2回以下の利下げ(約45ベーシスポイント)にまで急落しました。
バークレイズやゴールドマン・サックスをはじめとする大手金融機関は、予想外のインフレ率の急上昇を受けて予測を調整しました。バークレイズは2024年の利下げを1回のみ、ゴールドマン・サックスは7月と11月にそれぞれ2回の利下げを予想しています。TDセキュリティーズも、9月に25ベーシスポイントの利下げを行い、その後12月にも利下げを行うと予測しています。
金融政策期待が引き締まっているにもかかわらず、米国株式市場は長期的な強気トレンドの終焉を示すというよりは、むしろ調整局面に入ったように見えます。インフレ圧力や利下げ幅縮小の見通しからボラティリティが上昇する可能性はあるが、株式が引き続き良好な見通しを示す要因はいくつかあります。
第一に、米国経済は、テクノロジーや堅調な政府支出イニシアティブなどのセクターの強さに支えられ、回復力を示し続けています。人工知能の急速な進歩は、イノベーションと生産性の向上を促進し、米国経済の活力にさらに貢献しています。
さらに、インフレ懸念は根強いものの、その一方で労働市場の堅調な兆候が見られ、消費者需要の底堅さを示唆しています。こうしたインフレと経済成長のバランスは、投資家にとって微妙な背景となります。
投資家は、インフレ・データの発表と連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定を注意深く監視し、警戒を続けることが極めて重要です。金利の動向は変化するかもしれませんが、米国株式市場を支えている基本的なファンダメンタルズは依然として損なわれていません。そのため、現在の経済情勢のなかでは、慎重ながらも楽観的なアプローチが正当化されるかもしれません。
関連コラム
Contact